気管支喘息は、呼吸が窮難になる病気であり、急発作もあり、生活に影響を及ぼす厄介な疾患です。この気管支喘息の治療に使用される薬の一つが「メプチン」で、これは気管支拡張剤として作用します。

この記事では、メプチンの気管支喘息に対する効果、使用方法、副作用について詳しく説明します。メプチンを処方された方や気管支喘息でお悩みの方に、参考になる情報となれば幸いです。

 

 

メプチンとはどんな薬？

 

メプチン（プロカテロール）は、交感神経を刺激して気管支を広げ、咳を抑制し息苦しさを和らげる効果が期待できる薬です。気管支喘息、慢性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患（COPD）の治療に使用されます。1980年に開発され、世界10以上の国と地域で販売されています。

患者の年齢・体重・症状に合わせ、錠剤、顆粒剤、ドライシロップ、シロップ、噴霧式のエアゾール、ネブライザー、ドライパウダーなど、様々な形状で製剤されています。メプチンの一般名は「プロカテロール塩酸塩」で、他にも同様の成分を含む薬が処方される場合もあります。

引用：「メプチン®スイングヘラー®10μg吸入100回」国内7月2日発売　大塚製薬株式会社
https://www.otsuka.co.jp/company/newsreleases/2014/20140620_01.html

 

メプチンの効果

 

メプチンは短時間作用性β2刺激剤であり、別名SABA（short-acting beta 2 agonist）とも呼ばれます。この薬は硬くなった気管支の筋肉をリラックスさせ、呼吸を楽にする効果があります。また、その効果は他のβ2刺激剤よりも短時間で現れ、吸入の場合は数分で気管支を広げることが期待されます。

特に発作時の急な対応が求められるため、「メプチン」の吸入薬は即効性があり、多くの患者が発作治療に利用しています。錠剤や粉薬の場合には1日1〜2回、朝や就寝前に服用されることが一般的です。効果の持続時間は8〜12時間ほどであり、用法用量を厳密に守ることで咳や息苦しさを軽減できる可能性が高まります。

 

メプチンの副作用

 

薬には効果だけでなく、副作用も存在します。メプチンも例外ではありません。副作用は『重大な副作用』と『その他の副作用』に分類されます。

*重大な副作用*
- アレルギー反応やショック
- 血清カリウム値の低下

特にキサンチン誘導体やステロイド、利尿剤などと併用する際に血液中のカリウム値が低下する可能性があり、注意が必要です。低下したカリウム値は不整脈や不快感などを引き起こす可能性があります。

その他の副作用
- 循環器: 動悸、頻脈、ほてりなど
- 精神神経系: 振戦、頭痛、めまいなど
- 消化器: 嘔気、胃部不快感、嘔吐など
- その他: 脱力感、鼻閉、耳鳴、全身倦怠感、血糖上昇など

これらの副作用は個人差があり、症状が現れた場合は早めに医師に相談することが重要です。

引用：メプチン錠　添付文書
https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00051532.pdf

 

 

メプチンを使用する際の注意点

 

特に吸入薬を使用する場合、以下のポイントに留意する必要があります。

1. メプチンを吸入した後、口を閉じて5秒ほど息を止める。
2. 必ず吸入後にうがいを行う。吸い込んだ薬の約80％が口の中に残るため、これを飲み込むと副作用が起こりやすくなる。
3. 吸入薬の吸入量は医師や

薬剤師の指示に従い、適切な用法・用量を守る。

引用：メプチンエアーの吸入方法　北野病院
https://www.kitano-hp.or.jp/kokyuki_check/pdf/11cd.pdf

 

メプチンQ＆A

 

最後に、患者さんからよく寄せられる質問に対する回答を紹介します。

1. Q: 吸入薬を使用前に振るのはなぜですか？
A: 吸入薬を均一にするため。

2. Q: いつ内服・吸入したらいいですか？
A: 内服薬は医師の指示通り、朝または就寝前に服用。吸入薬は症状を自覚した時に使用し、通常は1回2吸入。

3. Q: メプチンエアーを使用しても、効果が実感できないときはどうしたらいいですか？
A: 医師の指示通りに複数回吸入しても効果が実感できない場合、速やかに医師を受診する。

参考：メプチンエアーの吸入方法　北野病院
https://www.kitano-hp.or.jp/kokyuki_check/pdf/11cd.pdf

当院への受診はWeb予約！（こちらをクリック）

 

まとめ

メプチンは気管支喘息の治療に使用される気管支拡張剤であり、気管支の筋肉をリラックスさせ、呼吸を楽にする効果があります。幅広い製剤が存在し、患者の特性に合わせた利用が可能です。

この記事では、メプチンの効果と正しい使用方法、副作用について詳しく解説しました。医師の指示に従い、正確な用法・用量を守ることが必要であり、副作用を感じた場合は速やかに医師に相談することが重要です。